おなかいっぱいなのにデザートなら食べられるという経験ってありませんか?
食生活でよく聞く言葉に「甘いものは別腹」があります。
いくら3食で十分に食欲が満たされていても、甘いものは受け入れられるという不思議な現象の「別腹」。
この「別腹」のしくみについて、脳神経の働きについてはあまり知られてはいないようです。
畿央大学健康栄養学科の教授の学説をまとめてみました。
なぜ満腹でも食べられる?
通常の3食で食欲は満たされているのに、「甘いものは別腹」とケーキなど甘いものをむしゃむしゃと際限もなく食べてしまった、このような食の経験者はいるはずです。
多数の人が経験しているこの「別腹」。
この別腹がカロリーオーバーを引き起こす原因となることが多いのですが、
この不思議な食欲は、人間の脳神経のどこに由来するのでしょうか?
食欲の種類としくみ
そもそも、動物は空腹になると食欲を感じます。
このことは言うまでもないことなんですが、
人間だけは別で、お腹が満たされていても食欲は起こります。
例として、塩分の多いものを食べたときでも、甘いものなら食べられます。
これを、「感覚特異性満腹」と言って、同一な味覚のものを食していると、味覚神経が鈍り、そのものの味に飽きて拒否したくなるのですが、異なる味のものなら食べたく
なるという現象です。
このしくみは、栄養学上は食生活のバランスをとるためには有効ですが、逆に偏食や過食という悪しき生活習慣になることもあります。
そこが、「別腹」の原因です。
脳から分泌された物質が別腹をつくる
また、私たちの過去の食生活経験が、現在や未来の食生活に影響を及ぼすということもあります。
大好きな飲食物を想像したり、写真等で食欲を刺激するようなものを見たり、目前で飲食物の匂いを嗅いだりすると、人間の脳内(視床下部)から「オレキシン」という物質が分泌されます
「オレキシン」は、食欲を増進させる物質で、胃の消化活動を活発にし、腸への消化物の移動を加速します。
言い換えると、満腹の状態でも、人間の記憶や心理状態が胃に飲食物を受け入れる場所を作ってしまうというわけです。
これこそが正に「別腹」の正体です。
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